内分泌・代謝

内分泌・代謝 毎日確認シート

Tier1(本番の約40%の一角)。先天代謝は「高NH3の3分岐」と「一撃像+治療」、内分泌は「過剰か欠乏か・中枢か末梢か」で割る。


🔥 毎朝ここだけ音読(5つの地雷)

  1. 高NH3の3分岐=有機酸(アシドーシスあり+ケトン陽性)/尿素サイクル(アシドーシスなし・呼吸性アルカローシス+ケトン陰性)/脂肪酸MCAD(低ケトン性低血糖=ケトン陰性)。手順「高NH3→①血ガス②尿ケトン③血糖」。ケトンの有無を必ず見る(脂肪酸の指紋=ケトン陰性)。
  2. バセドウ第一選択=チアマゾール、ただし妊娠初期だけPTU(MMIの催奇形性)。重大副作用=無顆粒球症。母体TRAb→新生児バセドウ。
  3. 強い音への過剰驚愕(hyperacusis)=Tay-Sachs=ヘキソサミニダーゼA。──★★★★★5回連続で落としている最重量項目(7/22・7/30・7/31・8/1・8/5。5回とも答えは Niemann-Pick A)。「肝脾腫の有無で割る」は5回とも機能しなかったので、決め手を"音"1本に変更した。比較で迷わず、この1対1だけを通す。肝脾腫は決め手として弱い(Sandhoff=Hex A+B欠損は Tay-Sachs 様なのに臓器腫大あり)。cherry red spot 自体は Tay-Sachs・Niemann-Pick A・GM1 に共通で決め手にならない。ゴーシェは cherry red spot なし(Gaucher細胞)。
  4. 低Ca+高リンはPTHで割る:PTH低=真性(分泌不全)/PTH高=偽性(Albright・短指)。ビタミンD欠乏は低リンで別。
  5. 21-OHD=塩喪失(低Na高K+低血糖)+女児外性器男性化・17-OHP↑・ヒドロコルチゾン+生食+ブドウ糖。シックデイ2-3倍。

1. NBS と 高NH3の3分岐 ★

アシドーシス ケトン 治療
有機酸血症 あり 陽性 大量ブドウ糖で異化停止・カルニチン
尿素サイクル異常 なし(呼吸性アルカローシス) 陰性 蛋白"制限"+大量ブドウ糖+窒素除去(安息香酸Na/フェニル酪酸)+アルギニン+透析
脂肪酸代謝(MCAD) ±/低血糖 陰性(低ケトン性) ブドウ糖・絶食回避

2. 先天代謝の一撃像

疾患 一撃像 治療
PKU ネズミ尿臭・赤毛色白・PAH欠損 低Phe食(早期&生涯・母体PKU)
ガラクトース血症 白内障+大腸菌敗血症+尿還元糖陽性/グルコース陰性 無乳糖乳
MSUD メープル尿臭+後弓反張 BCAA制限・血液浄化
ホモシスチン尿症 水晶体下方・知的障害あり・血栓・AR B6+メチオニン制限
Wilson病 肝障害+錐体外路+KF輪・セルロプラスミン低/尿銅高 キレート+亜鉛
糖原病I(von Gierke) 肝腫大+空腹時低血糖+乳酸/尿酸/脂質↑ 生コーンスターチ

3. ライソゾーム病 ★(蓄積で割る)

疾患 決め手 酵素
Tay-Sachs 強い音への過剰驚愕(hyperacusis)+進行性の発達退行・肝脾腫なし・アシュケナージ ヘキソサミニダーゼA
Sandhoff Tay-Sachs様(音への驚愕・退行)だが臓器腫大あり ヘキソサミニダーゼA+B
Niemann-Pick A 肝脾腫が著明+泡沫細胞(foam cell)+進行性の退行 スフィンゴミエリナーゼ
ゴーシェ 脾腫著明+汎血球減少+骨(Erlenmeyer)+Gaucher細胞 グルコセレブロシダーゼ
Hurler(MPS I) 粗顔貌+角膜混濁あり+関節拘縮・AR α-L-イズロニダーゼ
Hunter(MPS II) 粗顔貌+角膜混濁なし・XLR男児 イズロン酸スルファターゼ
Fabry 四肢灼熱痛+低発汗+被角血管腫+蛋白尿・XLR α-ガラクトシダーゼA

4. 副腎・21-OHD ★毎年


5. 甲状腺


6. 糖尿病・水電解質


7. 成長・思春期


8. 骨・副甲状腺

低Caは「PTHの向き」と「Pの向き」の2軸で全部割れる(2026-08-07追記)

疾患 PTH P 一言
特発性副甲状腺機能低下症 低 高 PTHが出ない
偽性副甲状腺機能低下症 高 高 PTHが効かない(Albright)
ビタミンD欠乏性くる病 高 低 PTHは効いている
慢性腎臓病(CKD-MBD) 高 高 排泄できない

決め手=PTHはPを尿へ捨てさせるホルモン。だからPTHが効いていなければP高値、効いていればP低値。 この一点で「PTHの問題」か「ビタミンDの問題」かが決まる。

ビタミンD欠乏でPが下がる機序(丸暗記でなく連鎖で覚える)

ビタミンD欠乏 → 腸管からのCa吸収低下 → 低Ca → 二次性にPTH上昇 → PTHがPを尿へ捨てさせる → 低P よって 低Ca・低P・PTH高値・ALP高値 が揃う。


総括(1文)

高NH3は3分岐(有機酸=酸+ケトン/尿素=アルカリ+ケトン陰性/脂肪酸=低ケトン低血糖)。21-OHD=塩喪失+17-OHP。バセドウ=チアマゾール(妊娠初期PTU)。音への過剰驚愕=Tay-Sachs(Hex A)。低Ca高リンはPTHで割る。DKA=輸液→持続インスリン→K・脳浮腫警戒。


2026-08-13 追加(低身長・思春期で6件失点したため新設)

低身長は2軸で4象限に落としてから疾患名を考える

①均衡型か不均衡型か ②成長曲線に沿うか横切るか。

曲線に沿って低い(成長率は正常) 曲線を横切る(成長率が低下)
均衡型 家族性低身長/体質性思春期遅発症 内分泌(GHD・甲状腺・Cushing)/全身疾患(IBD・セリアック・慢性腎不全)/症候群(Turner・Noonan・PWS・Silver-Russell)/SGA性低身長
不均衡型 軟骨無形成症・軟骨低形成症・低ホスファターゼ症・ムコ多糖症 くる病(治療前)・骨系統疾患の進行例

ICPモデル:乳児期は栄養、幼児期以降はGHと甲状腺、思春期は性ホルモン。2〜3歳以降に成長率が落ちたら主役はGHか甲状腺で、血液検査が正常ならGH。

指極(両手を広げた長さ)は通常ほぼ身長と等しい。指極/身長が92%なら不均衡型(※2026-08-13 A-95で軟骨無形成症の決め手になった)。

数字で即決できるもの

GH治療の保険適応(※2026-08-13に失点)

適応あり=GH分泌不全性低身長症・Turner症候群・SGA性低身長症・軟骨無形成症/軟骨低形成症・Prader-Willi症候群・慢性腎不全・Noonan症候群。 適応なし=家族性低身長・体質性思春期遅発症(どちらも病気ではない)。 SGA性低身長はGH分泌が正常でも適応になる(GHDとは別枠なので刺激試験の結果に左右されない)。

思春期の異常 ── 向きの一覧(※2026-08-13にTurnerと思春期早発症を取り違え)

二次性徴 その時点の身長 最終身長
思春期早発症 早く出現 高い 低い(骨端線が早く閉じる)
思春期遅発症(体質性) 遅れて出現 低い 正常域
Turner症候群 自然には出現しない 低い 低い(無治療なら約140cm)
GH分泌不全症 正常の時期 低い 低い(治療で改善しうる)

固定句:二次性徴が出ているなら早発の側で、Turnerとゴナドトロピン低値の疾患は最初から消える。

定義=女児は7歳6か月未満の乳房発育/8歳未満の陰毛/10歳6か月未満の初経。男児は9歳未満の精巣発育。

思春期早発症は中枢性か末梢性かで治療が正反対(※2026-08-13に2回失点)

GnRH負荷試験でLHが高反応=中枢性、低反応=末梢性。

男児は精巣容積が源を教える:両側とも大きい(4mL以上)=中枢性/両側とも小さいまま男性化=副腎(先天性副腎過形成・副腎腫瘍)/片側だけ腫大=精巣腫瘍。精巣を大きくできるのはゴナドトロピンだけ。

カフェオレ斑は辺縁の形で割る

NF1=平滑(coast of California)・小型で多発・6個以上が基準(思春期前5mm以上/思春期後15mm以上)。McCune-Albright=不整(coast of Maine)・大型で少数・正中を越えない(GNASの体細胞モザイクなので分布が斑状、遺伝しない)。

McCune-Albright三徴=多骨性線維性骨異形成・カフェオレ斑・内分泌機能亢進(末梢性思春期早発症のほか甲状腺機能亢進症・GH過剰・Cushing症候群・FGF23関連低リン血症性くる病)。

ホルモン値で「欠乏」と「抵抗」を割る(※2026-08-13に失点)

上流のホルモンが高いのに効果が出ていなければ、下流(受容体側)が壊れている。

所見 疾患
アルドステロン高値+低Na・高K・アシドーシス 偽性低アルドステロン症(低値なら先天性副腎過形成・副腎皮質機能低下症)
PTH高値+低Ca 偽性副甲状腺機能低下症(低値なら副甲状腺機能低下症)
ADH高値+低張尿 腎性尿崩症(低値なら中枢性)
TSH高値+FT4低値 原発性甲状腺機能低下症(TSH低値+FT4低値なら中枢性)
ゴナドトロピン高値+性腺機能低下 Turner・Klinefelter(低値ならKallmann・PWS)

固定句:受容体が壊れている病気に、そのホルモンを足さない。

思春期遅発症はゴナドトロピンの高低で二分

低ゴナドトロピン性=視床下部・下垂体の問題(Kallmann症候群=嗅覚低下・下垂体腫瘍・Prader-Willi・慢性疾患や低栄養・過度の運動による機能性)。高ゴナドトロピン性=性腺そのものの問題(Turner・Klinefelter・化学療法や放射線治療後)。


2026-08-22 追加 ── くる病を2ステップで割る(本日11問の分解を要した最大の穴)

手順を固定する。表を思い出そうとせず、この順で2回だけ見る。

① PTHを見る → 上がっていなければ XLH。上がっていれば残り3つ。 ② 25(OH)Dを見る → 低ければ欠乏症。正常なら依存症で、1,25の上下が1型(低)と2型(著明高)を分ける。

Ca P PTH 25(OH)D 1,25(OH)₂D
ビタミンD欠乏 低〜正常 低 高 低 正常〜高
依存症1型(1α水酸化酵素欠損) 低 低 高 正常 低
依存症2型(VDR異常・脱毛を伴う) 低 低 高 正常 著明高
XLH 正常 低 正常 正常 低〜不適切正常

⚠️ 誤り肢パターン:①「XLHはCa低値・PTH高値」(本日4回選択。くる病=PTHが上がる、を一括ルールにしている)②「依存症の25(OH)Dは低値」(低いのは欠乏症だけ)③鑑別表を見た直後に、典型的なビタミンD欠乏症をXLHと誤答(持ち越し干渉。直前に扱った疾患名が流れ込む)。 症例形式の◎は定着とみなさない。 症例文に「Ca正常・PTH正常」と書いてあると「低リン+くる病→XLH」のパターン一致だけで通ってしまう。裸で「XLHの血清CaとPTHは?」と聞かれて答えられるまでが定着。

2026-08-22 追加 ── 潜在性甲状腺機能低下症は TSH 10 が線

2026-08-22 追加 ── ライソゾーム病の眼は3つの引き出しだけ

濁る/赤い斑/動く。疾患名を見たらどの引き出しかを先に言い、それから所見を出す。

引き出し 疾患
濁る(角膜混濁) Fabry(渦状角膜 cornea verticillata)・Hurler(MPS I) 〔参考〕MPS VI・VIIも濁るが型別の暗記は試験範囲外
赤い斑(チェリーレッド斑) Tay-Sachs(肝脾腫なし)・Niemann-Pick A(肝脾腫あり)
動く(核上性眼球運動障害) Gaucher 2型・3型のみ
眼所見なし Gaucher 1型・Hunter(MPS II)・Sanfilippo(MPS III)

⚠️ 誤り肢パターン:Gaucher 1型を角膜混濁に入れる(通算4回)。反転の正体=「Gaucherは肝脾腫・骨症状・汎血球減少と所見が多い重い病気だから、眼にも何か出るはず」の引き寄せ。 Gaucherの眼は動きだけ、と1行で切る。