感染症・予防接種

感染症・予防接種 毎日確認シート

設問4年で64問=最多配点(~16/年)。特に予防接種の実務(禁忌・間隔・IVIG後)と先天感染TORCH、消毒が稼ぎどころ。全て易+標準。


🔥 毎朝ここだけ音読(6つの核)

  1. ロタは経口生ワク=初回生後14週6日までに開始/禁忌=腸重積既往・未治療の消化管奇形・SCID/接種後は腸重積(血便・嘔吐)に注意。
  2. グロブリン後の生ワクは「入れたら3か月・大量なら6か月・逆なら2週間」=通常量3か月以上/200mg/kg以上の大量(川崎病のIVIG 2g/kgを含む)は6か月以上/生ワク接種後14日以内にグロブリンを入れたら投与から3か月あけて再接種。不活化は制限なし。
  3. 熱性けいれんの既往はワクチンの禁忌でない(接種してよい)。
  4. エタノール無効=ノンエンベロープ(ノロ・ロタ・エンテロ・アデノ)+芽胞→次亜塩素酸Na。
  5. 先天感染:トキソ=水頭症+びまん性石灰化/CMV=脳室周囲石灰化・難聴最多/CRS=難聴+白内障+PDA/梅毒=手掌足底水疱・snuffles。
  6. HBV母子感染=出生後12時間以内にHBIG+B型肝炎ワクチン(以後シリーズ)。

1. 予防接種 総論

2. 予防接種 各論(頻出)

ワクチン 要点
ロタ(経口生) 初回生後14週6日までに開始/完了はロタリックス24週・ロタテック32週まで。禁忌=腸重積既往・未治療消化管奇形・SCID。接種後1-2週は腸重積に注意
BCG(管針・生) 標準生後5-8か月・上腕外側・スタンプ(管針)法。コッホ現象=既感染で早期強反応。重篤副反応=骨炎・全身播種(SCIDに致死的→免疫不全は禁忌)
HPV 定期=小6〜高1相当の女子(2025:小学6年から)・キャッチアップ・筋注・2/4/9価
パリビズマブ(RSV・抗体) 予防で流行期に月1回筋注。適応=早産(〜28週は12か月齢/29-35週は6か月齢)・慢性肺疾患・血行動態的に問題ある先心・免疫不全・Down症
B型肝炎 母子感染防止=出生後HBIG+ワクチン(12時間以内)→シリーズ。定期は生後2/3/7-8か月
DPT-IPV 初回3回(2/3/4か月)+追加1回。2023.4から2か月開始

3. 消毒・感染対策・職業感染

4. ウイルス感染症【頻出】

疾患 決め手
麻疹 3C(咳・鼻汁・結膜炎)+Koplik斑→発疹(耳後→顔→体幹)・二峰性発熱(発疹期に再上昇)。空気感染
伝染性紅斑(パルボB19) 両頬紅斑(平手打ち様)→四肢の網目状(レース状)。発疹期は感染力消退。合併=①溶血性貧血児の無形成発作(aplastic crisis) ②妊婦→胎児水腫 ③関節症
水痘 各期混在の水疱。2回接種後のbreakthroughは軽症。合併=急性小脳失調(予後良好)・皮膚二次感染
RSウイルス 細気管支炎・wheeze・呼吸窮迫、乳児は無呼吸・SpO2低下。パリビズマブ予防
手足口病/ヘルパンギーナ コクサッキー/エンテロ71(髄膜炎・脳炎リスク)
急性弛緩性脊髄炎(AFM) エンテロD68・感冒後の弛緩性麻痺
ムンプス 耳下腺腫脹・無菌性髄膜炎・難聴・精巣炎・膵炎

5. 細菌・その他【頻出】

疾患 決め手
A群溶連菌/猩紅熱 咽頭炎+苺舌+体幹の紅色発疹。ペニシリン。合併=リウマチ熱・PSAGN
百日咳 カタル期→痙咳(whoop・レプリーゼ・咳後嘔吐)、乳児は無呼吸/チアノーゼ・白血球著増(リンパ球)。マクロライド
乳児ボツリヌス 1歳未満・はちみつ禁忌。便秘→哺乳低下・筋緊張低下(floppy)・眼瞼下垂・弱い泣き
結核(小児) 初感染で粟粒結核・髄膜炎リスク。BCG
リステリア 新生児髄膜炎・母体のナチュラルチーズ/生ハム・グラム陽性桿菌。ABPC(セフェム無効)
新生児発熱(生後〜90日) 活気あっても敗血症/髄膜炎の精査=血培・尿培・腰椎穿刺

6. 先天感染(TORCH)+周産期【頻出】

病原 一撃像 石灰化
トキソプラズマ 水頭症+網脈絡膜炎(馬刺し/猫) びまん性
CMV(最多) 感音難聴(最多の非遺伝性難聴)+小頭+網脈絡膜炎 脳室周囲
風疹(CRS) 感音難聴+白内障+心疾患(PDA)=Gregg三徴・妊娠初期最大・届出 ─
梅毒(早期先天) snuffles・手掌足底の水疱/落屑・骨軟骨炎・肝脾腫、RPR陽性、晩期Hutchinson ─
水痘 四肢低形成・皮膚瘢痕 ─

7. 抗菌薬・抗真菌薬


8. 学校感染症の出席停止基準【頻出】

枠組み:学校保健安全法。第一種=ほぼ全て治癒まで(エボラ・ジフテリア・ポリオ等)。第二種=飛沫/空気感染で学校流行を起こす→疾患ごとに出席停止期間が決まっている(下表・本番はここ)。第三種(腸管出血性大腸菌EHEC・流行性角結膜炎・溶連菌等)=「病状により学校医が感染のおそれなしと認めるまで」。EHECは三類感染症として「直ちに」届出。

疾患 出席停止基準
インフルエンザ 発症後5日 かつ 解熱後2日(幼児は3日)※両方満たす
麻疹 解熱後3日
風疹 発疹が消失まで
水痘 すべての発疹が痂皮化まで
流行性耳下腺炎(ムンプス) 腫脹後5日 かつ 全身状態良好
百日咳 特有の咳が消失 or 適正抗菌薬5日間終了
咽頭結膜熱(プール熱) 主症状消退後2日
(COVID-19・現行) 発症後5日 かつ 症状軽快後1日(第二種に追加)
(結核・髄膜炎菌性髄膜炎) 学校医等が感染のおそれなしと認めるまで(期間固定なし)

覚え方 ⚠️


復習フラッシュカード

Q1: ロタワクチンの開始期限・禁忌は? A: 経口生ワク、初回は生後14週6日までに開始。禁忌=腸重積既往・未治療の消化管奇形・SCID。接種後1-2週は腸重積(血便/嘔吐/不機嫌)に注意。

Q2: IVIG後に延期が必要なワクチンと期間は? A: 麻疹・風疹・ムンプス・水痘などの生ワクチンを6か月延期(川崎病の大量IVIGは11か月)。不活化は影響なし。

Q3: エタノールが効かない病原体と代替消毒は? A: ノンエンベロープ(ノロ・ロタ・エンテロ・アデノ)・芽胞・結核→次亜塩素酸Na。エンベロープ(インフル/コロナ/ヘルペス/RS/麻疹風疹)にはエタノール有効。

Q4: 伝染性紅斑(パルボB19)の合併症3つは? A: ①溶血性貧血児の無形成発作(aplastic crisis) ②妊婦→胎児水腫/流産 ③関節症。発疹期には感染力は消退している。

Q5: 先天感染の頭蓋内石灰化の部位で割ると? A: CMV=脳室周囲/トキソ=びまん性。CRS=感音難聴+白内障+心疾患(Gregg三徴)、梅毒=手掌足底水疱+snuffles。

Q6: HBキャリア母体から出生した児の対応は? A: 出生後12時間以内にHBIG+B型肝炎ワクチンを投与し、以後ワクチンシリーズを完遂。

Q7: 乳児ボツリヌスの背景・症状は? A: 1歳未満・はちみつ禁忌。便秘→哺乳低下・筋緊張低下(floppy)・眼瞼下垂・弱い泣き声。

Q8: EBV(伝染性単核球症)でアンピシリンを使うと?腸球菌の抗菌薬は? A: EBVにアンピシリン→皮疹。腸球菌はセフェム無効→アンピシリン。ボリコナゾールはTDMが必要。


2026-08-13 追加(徹底ドリル Set B・先天感染から)

先天感染は「所見の種類ごと」に横断で覚える(疾患ごとに縦に覚えると混ざる)

所見 対応
脳内石灰化 トキソプラズマ=散在性(脳実質のどこにでも)/CMV=脳室周囲
眼 トキソ=網脈絡膜炎/風疹=白内障・胡椒塩様網膜症/CMV=網脈絡膜炎(主役は難聴)/梅毒(遅発性)=実質性角膜炎/水痘=白内障・小眼球
皮膚 梅毒=大きな水疱とびらん(梅毒性天疱瘡・手掌足底を含む)/ヘルペス=小水疱の集簇/水痘=デルマトームに一致する瘢痕/風疹・CMV=blueberry muffin様紫斑
難聴 最多はCMV(風疹はワクチンで激減/梅毒は遅発性の内耳性難聴)
水頭症 トキソプラズマ
小頭症 CMV

感染経路で分ける

経胎盤(トキソ・風疹・CMV・梅毒・水痘・パルボB19)=出生時にすでに症状がある。産道(単純ヘルペス・GBS・淋菌・クラミジア・HBV)=出生後数日〜数週で発症。母乳(HTLV-1・早産児のCMV)。

設問が「出生時から」と書けば経胎盤、「生後1週」「生後2週」と書けば産道感染。

新生児ヘルペスの3病型(※2026-08-13に2回失点)

発症の早い順に並べると、時期・重症度・治療期間が一本の線でつながる。

病型 発症時期 所見 アシクロビル
全身型 生後1週前後(最も早い) DIC・肝不全・ショック・肺炎。最も予後不良 21日
SEM型 生後1〜2週 皮膚の小水疱集簇・角結膜炎・口腔病変 14日
中枢神経型 生後2〜3週(最も遅い) けいれん・髄液細胞数増加・側頭葉のMRI異常 21日

固定句:血流に乗る全身型がいちばん早く、神経をさかのぼる中枢神経型がいちばん遅い。14日はSEM型だけ、残りは21日。

用量=60 mg/kg/日 分3(20 mg/kg/回・8時間毎)静注。母に性器ヘルペスの既往がないことが多いので否定材料にならない。中枢神経型は髄液PCRの陰性化を確認してから終了。静注後に経口アシクロビル抑制療法6か月。

母体治療で垂直感染を減らせるのは2つだけ(※2026-08-13に失点)

梅毒の血清反応と時期

RPRが先に陽転しTPHAは遅れる → RPR陽性+TPHA陰性=感染ごく初期。治癒後は逆でRPR陰性+TPHA陽性が生涯続く。母体の陰部病変は無痛性(硬性下疳)、HSVは有痛性。 時期別=胎児梅毒(早産・死産・胎児水腫)/乳児梅毒(生後4〜8週)=梅毒性天疱瘡・血性鼻漏・骨軟骨炎による偽麻痺・肝脾腫/遅発性(2歳以降)=Hutchinson三徴(実質性角膜炎・内耳性難聴・Hutchinson歯)・鞍鼻・Clutton関節・軍刀状脛骨。

CMVの3点

①難聴は出生時正常でも後から出現し進行する(スクリーニング通過後も長期フォロー)②診断は生後3週以内の尿PCR(以降は後天感染と区別できない)③症候性例はバルガンシクロビル6か月。 既感染の母体でも再感染・再活性化で先天感染が起こる(風疹との決定的な違い。※負問で頻出)。予防はワクチンがなく幼児の唾液・尿との接触を減らす衛生管理のみ。

新生児の細菌感染

グラム陽性桿菌=Listeria(母のナチュラルチーズ・生ハム)。リステリアは全てのセフェム系に自然耐性なので、生後3か月未満の髄膜炎の初期治療はアンピシリン+セフォタキシム(±ゲンタマイシン)。3か月以降はセフトリアキソン+バンコマイシン(耐性肺炎球菌狙い)。

GBSのIAP適応=妊娠35〜37週の腟・直腸培養陽性/前児がGBS感染症/今回の妊娠でGBS菌尿/培養未実施でリスク因子(破水18時間以上・38℃以上の発熱・37週未満)。陣痛前・破水前の予定帝王切開では適応にならない。早発型は減らせるが遅発型は減らせない。

パルボウイルスB19

胎児の赤芽球を障害して高度貧血→胎児水腫。奇形は起こさない(他のTORCHとの決定的な違い)。胎児輸血で救命できる。母体の伝染性紅斑は発疹が出た時点でウイルス血症は終わっており感染力はない(妊婦への感染は発疹前の風邪症状の時期に起きている)。


2026-08-13 更新:HPVワクチン(厚生労働省Q&Aで一次確認)

出典:厚生労働省「HPVワクチンに関するQ&A」 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou/hpv_qa.html (2026-08-13 確認) 同「HPVワクチンのキャッチアップ接種について」 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou/hpv_catch-up-vaccination.html

項目 2026年8月時点
定期接種の対象 小学6年〜高校1年相当の女子(標準的接種年齢は中学1年)
使用ワクチン 2026年4月から公費で受けられるのは9価(シルガード9)のみ。 2価・4価で開始して未完了の場合は残りを9価で継続する
接種回数 1回目を15歳になるまでに受ける場合=合計2回(標準は6か月間隔)/15歳になってから=合計3回(標準は0・2・6か月)
キャッチアップ接種 令和4年4月〜令和7年3月31日で実施し終了。 経過措置として、その間に1回以上接種した平成9年度〜平成20年度生まれの女性は令和8年(2026年)3月31日まで残りを公費で接種可能だった(この経過措置も終了済み)
男性 厚労省Q&Aに定期接種の記載はなく、任意接種。 予防接種推進専門協議会・日本産科婦人科学会から定期接種化の要望が出ている段階。一部自治体が独自に費用助成している
接種後の検診 必要。 「ワクチンはすべての高リスク型HPVの感染を予防できるわけではないため、早期発見・早期治療のために子宮頸がん検診も定期的に受診し、子宮頸がんに対する予防効果を高めることが大切です」(原文)

カバー率:2価・4価は子宮頸がんの原因の約65%を占める16・18型をカバー。9価は16・18・31・33・45・52・58型で約90%(+尖圭コンジローマの6・11型)。

接種時の失神・めまいは「予防接種ストレス関連反応(ISRR)」として整理されている。接種後30分は座って様子を見る。

救済制度:接種者のミスに限らず、適正に接種された場合の健康被害も対象。定期接種は予防接種法、任意接種は医薬品副作用被害救済制度という枠組みの違いを押さえる。

⚠️ 時制依存の論点:「男性も助成を受けられる」の正誤は定期接種の読みでのみ「誤り」として成立する(一部自治体は助成しているため)。2026-08-12にをこの理由で除外した経緯がある。 ⚠️ 積極的勧奨は2013年6月に差し控え、2022年4月に再開。