新規治療薬

新規治療薬 毎日確認シート

なぜ作ったか:2026-08-11の演習で(酵素補充)・A-45(アンチセンス)が連続で出た。過去7年を数えるとこの領域は毎年1〜2問、しかも同じ5群が回っている。新薬全般を追うのは費用対効果が悪いが、実質15薬を4列で持てば固定で取れる。

🔥 毎朝ここだけ音読(4つの地雷)

  1. ERTが効くのはライソゾーム病だけ。理由=M6P受容体で取り込まれライソゾームまで運ばれるから。細胞質(PKUのPAH)・小胞体膜(糖原病Ⅰ型)・ミトコンドリアの酵素欠損には届かない。例外的にライソゾーム病でないERT=低ホスファターゼ症・ADA欠損症。
  2. ASOは「SMAは入れる/DMDは飛ばす」。SMA=SMN2のexon 7を入れる、DMD=変異exonを飛ばして読み枠を戻す。
  3. ERTもASOも血液脳関門を越えない(ヌシネルセンが髄腔内なのはこのため)。中枢神経症状には無効(Hunter症候群の知能障害など)。
  4. 生物学的製剤は投与前に結核スクリーニング(IGRA±ツ反)。「対策なしの使用による結核発症はあってはならない」とされる領域。

① 酵素補充療法(ERT)── 5/7年で出題

疾患 欠損酵素 薬 備考
Pompe病(糖原病Ⅱ型) 酸性α-グルコシダーゼ アルグルコシダーゼα 糖原病で唯一のライソゾーム病。乳児型は心筋症・呼吸筋障害。新生児マススクリーニング対象
Fabry病 α-ガラクトシダーゼA アガルシダーゼα/β X連鎖。四肢末端痛・被角血管腫・低汗症・角膜混濁→腎不全・心肥大。経口シャペロン(ミガーラスタット)もあり
Gaucher病 グルコセレブロシダーゼ イミグルセラーゼ等 肝脾腫・汎血球減少・骨痛。Ⅱ/Ⅲ型の神経症状にはERT無効
ムコ多糖症 Ⅰ・Ⅱ・ⅣA・Ⅵ・Ⅶ 各種 ラロニダーゼ/イデュルスルファーゼ 等 Ⅲ型(Sanfilippo)にはERTなし。Ⅱ型=Hunter=X連鎖、他はAR
低ホスファターゼ症 組織非特異型ALP アスホターゼα ライソゾーム病でない例外
ADA欠損症 アデノシンデアミナーゼ ペグアデマーゼ 例外。SCIDの一型

ERTがないもの(引っかけの常連):フェニルケトン尿症(食事療法+BH₄)/糖原病Ⅰ型(生コーンスターチ頻回・夜間持続経管)/ミトコンドリア病(対症・MELASにタウリン、L-アルギニン)/ムコ多糖症Ⅲ型。


② 核酸医薬・遺伝子治療(SMA・DMD)── 2023・2025で連続出題

SMAの治療3本立て(この3つの違いが問われる)

薬 分類 投与 年齢
ヌシネルセン(スピンラザ) アンチセンス核酸(ASO)・SMN2 exon 7を入れる 髄腔内 全年齢(発症前も)
リスジプラム(エブリスディ) 低分子スプライシング修飾薬(ASOではない) 経口・1日1回食後 全年齢(発症前も)
オナセムノゲン アベパルボベク(ゾルゲンスマ) AAV9遺伝子治療(SMN1そのものを導入) 単回静注 2歳未満・抗AAV9抗体陰性例に限る

DMD


③ RSV予防抗体 ── 2020・2021・2023・2024

パリビズマブ(シナジス) ニルセビマブ(ベイフォータス)
投与 流行期に毎月筋注 流行開始時に1回(効果が数か月持続)
対象 重症化リスクの高い児に限定(早産・慢性肺疾患・血行動態に異常のある先天性心疾患・免疫不全・ダウン症候群) リスク児+、初回流行期の全ての新生児・乳児
日本 従来から使用 2024年5月 薬価収載・発売

④ 生物学的製剤 ── 2021・2022・2023

疾患 第一に挙がる薬 標的
全身型JIA トシリズマブ(アクテムラ)→無効・不耐ならカナキヌマブ(イラリス) IL-6受容体/IL-1β
関節型JIA エタネルセプト・アダリムマブ・トシリズマブ・アバタセプト TNF等
小児IBD(Crohn・潰瘍性大腸炎) インフリキシマブ・アダリムマブ TNFα
重症喘息 オマリズマブ(抗IgE)・デュピルマブ IgE/IL-4Rα
川崎病(IVIG不応) インフリキシマブ TNFα

⑤ その他(1問で拾える単発)

疾患 薬 一言
難治性ネフローゼ症候群 リツキシマブ(抗CD20) 2019で出題。頻回再発型・ステロイド依存性に
aHUS・PNH エクリズマブ(抗C5) 投与前に髄膜炎菌ワクチンが必須
結節性硬化症(上衣下巨細胞性星細胞腫・血管筋脂肪腫) エベロリムス(mTOR阻害) てんかんにも適応
肺動脈性肺高血圧症 ボセンタン(ET受容体)・シルデナフィル(PDE5)・エポプロステノール
Ph陽性ALL・CML イマチニブ等TKI
再発難治性B-ALL チサゲンレクルユーセル(CAR-T) サイトカイン放出症候群→トシリズマブ
遺伝性血管性浮腫 C1インヒビター製剤・イカチバント 抗ヒスタミン薬・ステロイドは無効

出典

⚠️ 未検証で残した点:⑤の各薬剤は設問での出題実績がなく、一般的な小児科教科書レベルの記載に基づく。①〜④は上記の出典で裏取り済み。